能登R不動産 Limitedの意義

能登R不動産Limited

能登半島地震、奥能登豪雨災害を経て、能登の様子は一変しました。

崩壊した家、割れた地面、崩れ落ちた山、隆起して広がった海辺。能登の里山里海らしい風景は、直視できないほど痛ましい姿になった場所もあり、そこで暮らしていた人々は、住まいや仕事など多くのものを失い、能登で生きることを断念した人も多くいます。

それでも、それでも能登には魅力があると感じます。それは長い年月をかけて培ってきた自然環境、歴史や文化が土に染み込み、まさに風土と言われるものから醸しでる力。

その”力”に触れたいと、守りたいと思う人たちが震災後も多く能登に関わっているのではないでしょうか。私たちはその役割の一端を担いたいと震災後からずっと考え、関わり続けてきました。

発災後2年間、能登の不動産仲介に携わってきて分かったのは、被災し、公費解体も進んでしまった今の能登にも魅力を持った不動産がまだあり、活用を待っているということです。ここをなんとかして掘り起こして活用に繋げたい。

もちろん、住まいや事業での活用のためには、その不動産がある地域のことを知らないといけません。自然環境や歴史文化、生業、そして人。能登での暮らしに関わるもの、こと、ひとの様々な情報。それらを複合的に発信することで「被災地としての能登」から「新しい能登」との関わり方が見えてくることを期待します。それは地続きの「今」の積み重ねから見えてくるはず。

私たちは「R不動産」という不動産情報メディアを媒体として、個々の土地建物の魅力の再発見、新たな活用提案、さらに土地建物の立地する街の魅力を抽出して新たな文脈で再構築し、可能性を見出し、発信することを行ってきました。

能登半島地震で顕在化したのは、過疎地の未来の姿だという声も聞きます。元々あった少子高齢化による人口減少、派生する空き家問題。緩やかなスピードで進むはずだった数十年後の能登の姿に、この地震で一気に直面してしまったと。急に突きつけられた地域課題への対応も、R不動産の視点からより良い解決方法を提案できるかもしれません。それは今後の日本各地で起こり得る状況に対する、先進的とも言える取り組みへと発展していく可能性を秘めています。

地震により人生が大きく変わってしまった人も多くいます。能登を出た人も、能登に来た人もいるでしょう。ただ、どこにいたって能登への思いがあれば、関わり続けていくことはできるはず。その思いを繋げる関わり方を「能登R不動産」を立ち上げることで、模索しながら提示していきたいです。

能登R不動産は不動産物件情報をメインとした、暮らしに関係する情報の発信と、活用のための不動産仲介業等に取り組んで行きます。

その中で、能登の姿は今後、数年毎に変わっていくことでしょう。その状況に合わせて、私たちの取り組みもその都度変化していく必要があると考えています。不動産仲介は期間限定的な取組になるかもしれないし、数年後にはより深く集落再生やまちづくりへと業態が変わっていくかも知れません。そんな意味で「能登 R 不動産  Limited」として運営を始めます。

「何もなくなった」というところから、もしかすると新しい発見や豊さを享受していくことができるかもしれない。そして「在るもの」の価値や魅力を活かし、守っていく。

この取り組みが「新しい能登」の力になると信じて、能登の「今」を伝える不動産情報メディア「能登 R 不動産 Limited」スタートします。